福島第1原発、放射能漏れか=通常値超える放射線検出-第2原発も避難指示

東日本巨大地震で被災し、運転を停止した東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)について、経済産業省原子力安全・保安院は建屋内の中央制御室で通常の1000倍の放射線量を観測したと発表した。原子炉建屋から放射性物質が漏れた可能性があるという。
 また、福島第2原発(同県富岡町、楢葉町)でも原子炉格納容器の圧力が上昇する恐れがあり、政府は既に半径10キロ以内の住民に避難指示を出した福島第1原発に続き、同第2原発にも半径3キロ以内の住民に避難を、同3~10キロ以内の住民に屋内待避を指示した。
 保安院によると、中央制御室では1時間当たり150マイクロシーベルトの放射線量を記録。これは、肺のX線撮影約3回分に相当するという。東電も、1号機から約1.5キロ離れた福島第1原発正門付近で、通常の20倍の放射線量を検出。敷地内の放射性物質の測定値も通常より増えているという。
 運転中だった同原発1~3号機は、地震直後に自動停止。原子炉格納容器内の圧力が上昇している恐れがあり、東電は弁を開放して圧力を逃がす操作を行うことを決めた。この作業を行うと、微量の放射性物質が大気中に放出される可能性があるが、正門などで放射線が検出された時点では、弁の開放作業は実施されていない。
 また、東電は12日、福島第2原発1、2、4号機で、圧力抑制室の温度が100度を超え、原子炉の圧力抑制機能が失われたと発表した。現時点では、原子炉冷却水の水位は維持されており、外部への放射能漏れなどは確認されていないが、3号機も含め、福島第1原発と同様に圧力を逃がす操作を行うことを検討しているという。

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