オブニンスク原発:原子力の平和利用

オブニンスク原発:原子力の平和利用

今から60年前、世界初の原子力発電所が運転を開始した。1954年6月末、モスクワ近郊オブニンスクの原発で初めて電気がつくられた。1951年、ソ連政府はソ連の原子爆弾の「父」と呼ばれる偉大な物理学者イーゴリ・クルチャトフに初の原子力発電所の建設を命じた。この原発は、原子力エネルギーの平和利用の見本となるべきものだった。

   3年後、オビンスク原子力発電所は、5メガワットの電力を供給した。オビンスク原発は当初、発電のほかに軍事的役割も担っていた。潜水艦の原子力発電プラントの操作員のための訓練施設として使用された。
   オブニンスクで、より大きな発電量の別の原発のモデルがつくられ、「平和的原子炉」が無事に運転を開始した後、原子力学者たちは、ソ連2つ目のベロヤルスク原発(発電量300メガワット)の建設に着手した。運転が開始されたのは、10年後の1964年だった。
   低発電量の原発を設計する時には、オブニンスク原発の運転経験が考慮された。これらの原発は、ロシアの極北の住民に熱や電力を供給した。
   オブニンスク原発では、原子力潜水艦の一部のモデルで現在使用されている高速炉も開発された。その後、より近代的な原子炉が誕生したが、オブニンスクの世界最初の原発は、原子力エネルギーの新たな要素の開発に豊富な経験を与えた。
   ロシアは現在、外国に最も多くの原子力発電所を建設している国の一つだ。ロシアは世界の原子力発電所市場の16パーセントを占めている。インドの「クダンクラム」原発の原子炉2基を建設しているほか、イランの「ブシェール」原発での作業も続いている。2007年には中国最大の出力を持つ田湾原発の原子炉2基が運転を開始した。トルコやベトナムにロシア企業が原発を建設する協定も結ばれている。
 今から12年前、オブニンスク原発の原子炉が、経済的な理由により運転を停止した。オブニンスク原発は今、ロシアの原子力分野に関する博物館となっている。以前オブニンスク原発の敷地内へ入ることは厳しく制限されていたが、今は誰でも世界初の原発を訪れることができる。
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