プルサーマル計画、北電に厳しい声 石川県、志賀町で説明

石川県の原子力環境安全管理協議会(安管協)、志賀町議会全員協議会は26日開かれ 、北陸電力が志賀原発1号機で導入を目指す使用済み核燃料の再利用(プルサーマル)の 実施計画を説明した。出席者からは地元への丁寧な説明を求める意見が相次ぐ一方、「な ぜ急ぐのか」「人為ミスをなくせ」と厳しい声も上がった。
 北電は6月28日にプルサーマル実施の事前協議を県と志賀町に申し入れており、両協 議会で説明するのは初めて。両会合ともに北電原子力本部長兼地域共生本部長の堀祐一副 社長があいさつ。資源エネルギー庁、原子力安全・保安院の担当者も参加し、プルサーマ ルの必要性や安全審査の内容を説明した。
 石川県の安管協では、委員からプルサーマルで使うMOX燃料に関し「技術的な安全性 は確立されているが、それと地元の人たちに安心してもらえるかどうかは別の話」(片岡 勲阪大教授)「通常のウラン燃料よりも危険度が少ないことはなく、北電はなぜ急いで始 めようとしているのか」(山本政儀金大教授)との意見が出た。
 北電側は「燃料のリサイクルを進めることが第一で、エネルギーの再利用やプルトニウ ムの平和利用を図りたい」などと答えた。
 国の安全審査の実施期間を問う質問には、原子力安全・保安院側が「ほかの原発の実績 では1年半から2年ほどかかっている」とした。MOX燃料の管理方法を訪ねる委員もい た。山岸勇副知事に代わり、新会長に選出された中西吉明副知事は「国に対しては厳格な 審査、北電には丁寧かつ十分な理解活動を求めたい」と注文した。
 志賀町議会全員協議会では、北電側が今月末から、町内16地区での住民説明会を始め る方針を示した。
 非公開で行われた質疑では、町議から住民への説明について、もっと分かりやすい資料 を求める意見や、プルサーマル先行地でのトラブルの有無を問う声があったという。人為 ミスを減らすようくぎを刺す議員もいた。
 戸坂忠寸計町議会議長は今後の議会の対応について「北電の活動の進捗(しんちょく) 状況を見ながら判断したい」と話した。同町では27日に原発立地地区の赤住区委員会・ 安全推進連絡会合同会議が開かれる。

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