福島第一原発、「凍土壁」の建設工事始まる

東京電力は2日、福島第一原子力発電所1~4号機建屋への地下水の流入を食い止める「凍土壁」の建設工事を始めた。
 政府と東電は、凍土壁を福島第一原発の汚染水対策の柱と位置づけており、来年度初めの完成を見込んでいる。
 同原発では現在、事故で溶融した燃料を冷やして汚れた水が地下水と混ざり合い、1日あたり約300~400トンの汚染水が発生している。凍土壁は、地下水が原子炉建屋などに流れ込むのを防ぎ、汚染水を増やさないようにするのが目的で、1~4号機の周囲約1・5キロ・メートルを囲う。
 地中約30メートルまで掘削して凍結管を打ち込み、マイナス30度の冷却材を入れて周りの土を凍らす工法で、約320億円の国費を投入する。東電によると、2日は午後5時前から、1号機西側で凍結管を埋め込むための掘削作業などを行った。
 配管など地下の埋設物が少ない山側から工事を進め、2015年3月までに全体の工事を完了する予定。さらに土を凍らせるのに数か月かかる見通しという。東電は、「汚染水低減に向けた重要な工事」と説明している。

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