中部電力:30年までに原発2、3基新設へ 三重沿岸部想定か


中部電力は24日、2030年までに原子力発電所を2、3基(出力計300万~400万キロワット級)建設することを目指すと発表した。09年度は14%にとどまっている発電電力量に占める原子力比率を30年をめどに50~60%程度に引き上げる。立地先は明らかにしていないが、三重県南部沿岸地域を想定しているとみられる。
 中電で現在稼働している原発は浜岡原発(静岡県御前崎市)3~5号機のみ。18年度以降の早い段階に稼働を目指す浜岡原発6号機(出力140万キロワット級)と、14年度以降のJパワーなどの原発からの調達を合わせても原子力発電比率は35%程度にとどまる。国は昨夏に策定したエネルギー基本計画で、二酸化炭素排出量の削減などを目的に、国全体の化石燃料以外の比率を約70%に引き上げる目標を示したが、中電は実現のめどがたっていない。名古屋市内で会見した水野明久社長は「原子力比率の向上が最重要課題。新規の原発開発に全力を傾注する」と述べた。中電は過去に芦浜原発(三重県)や、関西、北陸両電力と共同で珠洲原発(石川県)の建設を計画したが、いずれも地元の反対で断念した経緯がある。新たな原発の立地場所について、水野社長は「コメントは控えたい」と述べた。

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