米メディア「メルトダウン」を警戒 駐米大使が事情説明




東日本大震災で米国メディアは連日、被災地の状況を伝える一方、原子力発電所の爆発や炉心溶融に伴う被害の恐れが出ていることに警戒を強めている。
 ワシントン・ポスト紙は14日付(電子版)で、AP通信電を紹介する形で、東京電力福島第1原子力発電所3号機でも爆発が起きたことを速報した。
 同紙は13日付1面トップで、「犠牲者数の現実」という見出しとともに、放射線対策で白い防護服姿に青い手袋をはめた原発職員のカラー写真を掲載した。
 記事は、「日本は今回の地震のような原発災害に配慮してきたが、想定外の自然の猛威にさらされ、技術的危機に直面している」と指摘。日本政府が避難対象地域を逐次拡大しているもようを詳しく伝えた。
 その後、電子版の記事を刻々と差し替え、「原発の安定稼働に向け格闘」「作業員に部分的炉心溶融を懸念」との見出しで、原発の安全性に重大な懸念が生じていると指摘した。
 13日付ニューヨーク・タイムズ(電子版)も「地震による死者が急増」と死傷者が激増していることを伝えつつ、「日本、メルトダウン回避に懸命」とし、原発の管理体制に重大な関心を寄せた。
 クリントン米国務長官は13日の声明で、「米エネルギー庁、米原子力規制委員会(NRC)のほか、関係省庁が日本政府と緊密に情報交換している」とし、あらゆる支援を惜しまないとの意向を示した。
 こうした米メディアや政府の懸念に対し、藤崎一郎駐米大使は連日、FOXやCNNテレビ、公共ラジオ放送などの番組に相次いで出演。「現在海水注入による原子炉の冷却作業を進めている段階」などと説明、一般的にメルトダウンと呼ばれるような状況ではないと強調した。

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