米原子力、プチルネサンス NRC、34年ぶり建設認める


米原子力規制委員会(NRC)は9日、米電力会社サザンによる、南部ジョージア州ボーグル原発での原子炉2基の増設の申請を承認した。米国が原子炉の建設申請を認めるのは1978年以来。ただ、NRCのヤツコ委員長が福島第1原発事故を理由に反対票を投じたことから、安全性の強化の是非をめぐる論争に新たな火が点いた。
 承認は5人の委員による採決の結果、4対1の賛成多数で決まった。反対票を投じたヤツコ委員長は採決後に発表した文書で「福島の事故を断じて無視できない」と述べた。
 しかし、米国で原子炉新設が34年ぶりに認可されたことは、同国での“原子力ルネサンス”の始まりを告げるものと言えそう。同国では向こう10年間に原子炉5基が新たに建設される見込み。ただ、ヤツコ委員長の反対で、その幕開けは波乱含みのものとなった。
 新設承認は、部分的なメルトダウン(炉心溶融)に至ったスリーマイル島原発事故の前年の1978年以来34年ぶり。サザンの原子炉増設は、総事業費は140億ドル(約1兆900億円)。東芝傘下の米原子力大手ウェスチングハウス(WH)の新型加圧水型軽水炉(PWR)「AP1000」が採用される。

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