東電、家庭向け料金値上げ7月への前倒し検討


東京電力は家庭向け電気料金の値上げを当初予定の10月から7月に前倒しする検討に入った。
 当面の資金繰りの改善が狙いだ。政府の原子力損害賠償支援機構や、値上げの認可権限を持つ経済産業省に打診を始めたが、政府・与党内には慎重論が強く、実現には曲折も予想される。
 政府への申請が必要となる本格値上げは第2次石油危機後の1980年4月以来約32年ぶり。値上げの実施時期と上げ幅は、東電と支援機構が3月に策定する総合特別事業計画に盛り込まれる。収入の大半を占める電気料金の設定は、東電の抜本改革や政府、金融機関による資金支援などとともに総合計画の柱となる。
 総合計画の原案では、家庭向け電気料金は「10月から10%値上げする」との計画だった。値上げの時期を前倒しするのは、当面の資金繰りが一段と厳しくなるためだ。福島第一原子力発電所事故の賠償金支払い以外に使える現預金は今年3月末に1兆円を下回り、4月から7月にかけて社債の償還で約4000億円のお金が必要になる。値上げ幅は未定だが、3月中に全基停止する柏崎刈羽原発が長期間、再稼働できない公算が大きいことから、早期の値上げが避けられないと判断した。

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