新原子力規制委は独立性と危機管理能力が重要=細野原発事故担当相


細野豪志原発事故担当相は4日、ダウ・ジョーンズ経済通信のインタビューに応じ、福島第1原子力発電所のような事故の再発防止を目指し、安全面の監督を強化した新しい原子力規制委員会を創設するための作業に入ったことを明らかにした。
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細野豪志原発事故担当相
 細野氏は、同委員会で重要なのは原子力発電を推進する関係業界からの独立性と、危機管理ができる能力だとし、「人選はきわめて難しいが、大事な役割なのでしっかり選びたい」と述べた。
 原発業界とこれまでの規制当局――原発を推進する経済産業省の一部だった――の心地よい関係は、福島第1原発の事故の一因として批判されてきた。
 従来の規制当局であった原子力安全・保安院については、福島第1原発の予備電源のぜい弱さに対する警告を無視したと非難する声が上がっている。予備電源が作動しなかったことが、炉心のメルトダウンにつながったためだ。
 新しい原子力規制委員会の組織は、これまで原子力政策を統括してきた、いわゆる「原子力ムラ」からどれだけ距離を置けるかという点で、その人選が重要になるとみられている。
 細野氏は3日、同委員会を構成する5人の人選要件をまとめたガイドラインを発表した。それによると、委員に就任した時点から遡って3年以内に、原発のオペレーターや製造業者の役員・従業員であったり、これらの事業者から年50万円程度以上の報酬を受けていた場合は不適格となる。
 新しい原子力規制委員会は今年9月の発足を目指している。
 細野氏らはその前に委員の人選を終え、国会の承認を得ることになる。細野氏は、原発事業に直接関与していない、地震学者や放射線研究者といった専門家も招きたいとしている。
 福島第1原発の事故で明らかになった問題の1つは、上層部がどの程度、事態が深刻なのか明確にするのを躊躇したことだった。規制当局の幹部らは、事態が進行するにつれてどれだけ危険度が増すかという潜在的な危機の大きさについて菅直人首相(当時)への報告を躊躇したとして批判されている。
 細野氏は「これまでで反省すべきは、誰によって何がなされるべきかについての明確なミッションが考えられていないところだ」としたうえで、誰が判断するのかということを「明確」にすると述べた。

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