原子力規制庁、来週審議入りを 松下内閣府副大臣が意向

内閣府の松下忠洋副大臣は10日、設置関連法案の審議が始まらず発足が大幅にずれ込んでいる原子力規制庁について「国会の会期を含めて審議の時間は限られている。来週がぎりぎりのデッドライン」と話し、来週中には審議入りしたいとの意向を示した。具体的な発足時期は「できるだけ早くと言い続けているが、与野党の審議の中で決まっていく話」と述べるにとどまった。

 福井県庁での西川知事との会談後、記者団の質問に答えた。

 政府は東京電力福島第1原発事故を踏まえて規制組織を刷新し、環境省の外局として原子力規制庁を設置する方針。1月末に設置関連法案を国会に提出した。

 これに対し、政府案では人事や予算面で独立性が低く、緊急時にも十分な対応ができないと野党が反発。審議に入れない状態が続いてきた。

 自民、公明両党は4月20日、独立性が高い「原子力規制委員会」を設置し、規制庁は規制委の事務局と位置付ける対案を衆院に提出したが、与野党が歩み寄れるかは不透明だ。

 今後の与野党協議に関して松下氏は「政府案がいいと思って出しているが、謙虚にお互いの主張を出し合って、いい答えを出していくのが議会の在り方」と述べ、修正協議には柔軟に応じる姿勢を強調した。

 一方、新組織が予定通り発足しないため存続している原子力安全委員会は、3月に経済産業省原子力安全・保安院が妥当とした四国電力伊方原発3号機(愛媛県)のストレステスト1次評価の確認作業にも着手しないでいる。

 知事から役割を果たすよう求められた点に関し松下氏は、大飯3、4号機以外の1次評価結果の審査などの対応を要請したと説明。一方、京都、滋賀両府県が求める大飯3、4号機再稼働への同委員会の関与については「独立した委員会だから、国がああしろ、こうしろと強制できるものでもない。最終的には政治が責任を持ち決断する」と否定的な考えを示した。

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