韓国政府がUAEから受注した原発建設破綻か



韓国輸出入銀行がみずほ銀行から5億ドル借入というニュースが報道された。日韓険悪の時によくもまあと思った日本人は多いだろう。韓国の国策銀行の借り入れは韓国経済の悲惨さを示すもので、普通はあり得ない。だがなりふり構っていられぬ状況があったのだろう。可能性としてはUAE原発建設問題と原油流出事故問題への対応である。今回はUAE原発建設について考察する。

...当初有力だったのはフランス、日本は提示金額で大きな差があった。ところが韓国が日本の半額以下、フランスの8割以下の提示だけではなく、その他桁違いの条件を提示してきたため韓国に決定したという。その条件とは以下のようなものであった。
1.原子炉186億ドルのうち100億ドルの融資。
2.原子炉稼働事故保険60年保証。
3.故障時の修理回復保証。
4.運転、燃料供給等の完全管理。
5.原発の韓国軍による駐留警備。

さすがにここまで好条件だと原子炉建設経験がないハンデもとんでしまう。唯一問題であったロイズ保険の付加は原子炉建設企業が東芝・ウエスティングハウス連合でクリアとなった。しかしあまりの好条件にUAEは実現に疑問を抱き「UAE現地に作る(新古里3号機型)原発モデルがきちんと韓国で建設され、安全に運転されていることをUAEに証明すること。2015年を期限とし、違約の場合は原発輸出違約金を支払うこと」という条件を付加したという。

・・・

2009年は日本で傀儡朝鮮民主党が自民党を破り政権を取った年であった。韓国大統領李明博は公式にも非公式にも日本乗っ取り完了と発言し、これからは韓国に金の心配はない、みな日本に出させるからと公言していたのである。100億ドルの融資資金は日本からの予定だったのだ。

実績については実際の建設は日本の原子炉建設企業東芝・ウエスティングハウス連合があたるとし、保証、管理、メンテナンスも彼らが行うという入札だったらしい。ところが受注が先行し、東芝グループとの建設条件の提示があとになったため、あまりの長期保証条件に東芝グループが引いてしまったのだ。もっともこのあたりまでは韓国の予定のコースで、受注契約さえ取ってしまえば日本企業は関係なし。韓国企業で手抜き手抜きで利益を出そうと考えていたらしい。ここまでは順調。

ところがここから破綻が始まる。日本企業が建設から手を引いたためロイズ保険も引き受けを中止してしまったのである。いわゆるジャパンプレミアムでロイズは日本主体の保険業務については本来世界一厳しいといわれる査定作業については全く格好だけであった。ジャパンプレミアムとは日本に関する保険はただもらえるだけで心配が全くないという保険業界の安全神話のことをいう。

このロイズが建設主体が韓国企業ときくや保険の査定作業にも入らず完璧スルー。この時点で原発建設は不可能となってしまった。186億ドルの無保険プロジェクトに融資する金融機関などありえない。このような経過で工事中止。2013年に至っている。約3年にわたって関連の報道はないから、便りがないのは破綻の印ということなのだろう。

以上の内容を検証、補填する記事が韓国から出ているのでコピペしておく。


....イ・ミョンバク政府が受注したと発表したアラブ首長国連邦(UAE)原子力発電所事業が受注でなく事実上「投資」に近いという事実があらわれた。

去る30日放送されたMBC時事マガジン2580では韓国政府がUAEから原子力発電所建設を受注しながら何と12兆ウォンに達する天文学的な資金をUAEに貸すことにした裏面契約があったと暴露した。

「原子力発電所、未公開契約条件」という題名で放送されたこのプログラムはUAE原子力発電所受注と関連して「私たち国民が全く分からない未公開契約条件があった」と明らかにして「現在原子力発電所工事進展に支障が出ており昨年年末までに両国首脳が参加した中で起工式が開かれなければならなかったが現在起工式は無期限延期になった状態」と報道した。また、米国ブルームバーグ通信が「国策銀行の韓国輸出入銀行がUAE原子力発電所プラントに100億ドルを貸す計画だ」と報道した内容を公開して「私たちのお金で約12兆ウォンに達する輸出入銀行歴史上最も大きい規模の貸し出しがなされるだろう」と明らかにした。引き続きイム・チョンヨン企画財政部1次官が2010年12月3日国会企画財政委員会租税小委で「UAEと契約内容自体が私たちが半分ほどファイナンシングをするようになっている」と明らかにした内容と韓国輸出入銀行がある与党国会議員に提出した報告書に「UAE原子力発電所に対する輸出入銀行金融支援規模が受注金額(186億ドル)の約50%水準の90~110億ドルと予想」と使われた大きな課題を報道した。

時事マガジン2580はその間22兆ウォンを越える原子力発電所建設費用はUAEが自主的に負担して韓国は建設だけ引き受けると分かっていたが、契約が締結された後ほとんど1年を過ぎてようやく建設費用の半分以上の約12兆ウォンを韓国が貸さなければならないという事実が明らかになったことは納得するには難しいと指摘した。

また「より一層深刻な問題はUAEに貸し出す100億ドルを用意するのが容易でないという点」として「今まで輸出入銀行が海外電気発展プラントで貸し出しした輸出金融規模は今まで計10ヶ国への21億ドルが全てであり、今回の貸し出しの規模が前例がないほど大きくて貸出期間が28年ととても長いため」と伝えた。

もしUAEに貸し出す資金を国際金融市場で調達する場合S&P国家信用等級がAAのUAEに比べて信用等級がAの韓国がさらに高い高金利で調達して安い金利で貸す逆マージン現象が現れることがありうるという憂慮もあると報道した。

第2の中東ブームを持ってくるというUAE原子力発電所受注発表1年が過ぎた今、イ・ミョンバク政府が国民の税金で他の国に原子力発電所を建ててやることにならないかという疑惑はますます大きくなっている。
....韓国輸出入銀行は8月21日、日本のみずほ銀行と契約を結び、5億ドル(約487億6000万円)を借り入れたと明らかにした。借入期間は5年。金竜煥(キム・ヨンファン)頭取が同日、みずほ銀行本店で佐藤康博頭取と会い、金融契約書に署名した。

輸出入銀行関係者は「米国の量的緩和の早期縮小への懸念から、国際金融市場での債券発行が容易ではなかった。このような状況にもかかわらず、両行の協力関係に基づき、長期かつ巨額の資金を公募債発行のときよりも10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以上低い水準で借り入れることができた」と説明した。   


ところで上記の韓国輸出入銀行であるが、この実態がよくわからない。韓国マスコミが国策銀行といってはいるがどう検索しても銀行法の適用を受けるいわゆる銀行ではヒットしない。専門銀行と称してはいるがこれでは一般法人と変わらない。IMFや外資の影響を受けない形を作っているとしか思えない。これでは国際金融市場で債券発行などできるわけがない。
そういう意味で韓国輸出入銀行の借り入れは政府の借入であり、政府が他国の民間金融機関から借入をするということがどのような事態であるのかは容易に想像できる。まさに危機的状況であることはまちがいない。

とくにUAE原発建設問題は「UAE現地に作る(新古里3号機型)原発モデルがきちんと韓国で建設され、安全に運転されていることをUAEに証明すること。2015年を期限とし、違約の場合は原発輸出違約金を支払うことという付帯条件がついている。古里原発は不正部品問題が発覚し、安全運転に疑問がでてきた。さらに建設企業体が原子炉格納容器本体部分については日本企業であるのにもかかわらずUAE原発では韓国企業であって、この部分でも実態が違う。少なくとも現時点では2015年期限の原発輸出違約金は払わざるを得ないだろう。


5億ドルの借り入れはこれに備えるものなのか、あるいは2007年タンカー衝突、原油流出事故の対応であるのかはわからないが、いずれにしても韓国経済は八方ふさがりの様相を示してきている。

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