原子力規制委員:6原発10基合格見通し 現地調査で発言

原子力規制委員会は9日、再稼働に向けて安全審査中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を現地調査した。施設の安全対策審査を担当する更田(ふけた)豊志委員は同原発など審査が進む6原発10基の名を挙げ、「基準に不適合とされる原発が出てくるとは想像していない」と話し、いずれも審査に合格するとの見通しを示した。
 6原発10基は、昨年7月に電力4社が申請した、大飯3、4号機▽関電高浜3、4号機▽九州電力玄海3、4号機▽九電川内1、2号機▽四国電力伊方3号機▽北海道電力泊3号機。更田委員は「比較的新しく、私たちから見て条件のいい炉が申請されている。地震・津波対策で規制委と電力会社の意見の衝突がない限り、不合格ということはないだろう」と話した。
 更田委員はこの日、原子力規制庁の職員11人と大飯原発を調査。室内が狭い点などの改善を求めた緊急時対策所など約8項目を見て回った。調査後、記者団に対し、安全対策の進捗(しんちょく)状況について、「高い場所にあり、津波対策の難しさがない分だけ(前日に現地調査した)高浜原発より先行している」と印象を語り、「夏になって、まだ安全審査をやっているとは思わない」と話した。更田委員は8日、高浜原発3、4号機の調査後、「夏までの再稼働は不可能ではない」と発言していた。
 審査中の他の原発との比較では、「伊方、川内、玄海、高浜と大きな差があるとは思わない」と話した。ただ、再稼働の時期について「(島崎邦彦委員長代理が担当する)地震・津波関連の議論次第」との考えも示した。
 更田委員が大飯原発を現地調査するのは、新規制基準の施行(昨年7月)前の昨年6月以来。当時は全国で唯一稼働していた3、4号機について、「運転停止を求める重大な問題は無い」との認識を示していた。
 大飯原発を巡っては、重要施設の非常用取水路を横切り、活断層の疑いが指摘されている断層、F−6破砕帯について、原子力規制委の有識者調査団が昨年11月、「活断層ではない」とする報告書案を示している。

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