東電、来月にもプルサーマル発電
福島県の佐藤雄平知事は6日、東京電力が福島第1原子力発電所3号機(大熊町)で計画しているプルサーマル発電について、受け入れを正式表明した。これを受けて東電は、今月下旬に定期検査中の3号機に燃料を装荷し、9月にもプルサーマル発電を開始する見通しだ。計画通り進めば、九州電力玄海(佐賀県)、四国電力伊方(愛媛県)の各原発に次ぎ、国内3番目の実用化となる。
佐藤知事はこの日の県の関係部長会議で「これまでの検討結果を受け、県として最終的に受け入れる」と述べた。プルサーマル発電は、原発の使用済み燃料を再処理したウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使う。ウラン資源を有効活用し、使用済み燃料の廃棄負担を減らすことが目的で、国の原子力政策の柱となっている。
東電は、福島第1原発と柏崎刈羽原発(新潟県)で国内初の実用化を目指したが、2002年に検査記録の改竄(かいざん)が発覚し地元の事前了解が撤回されていた。さらに07年に新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発が被災し、計画は大幅に狂った。
このため電気事業連合会は、10年度までに全国の16~18基でプルサーマル発電を実施するとの目標を昨年6月、15年度まで5年先送りした。営業運転でのプルサーマル発電は、昨年末の玄海原発が国内初だった。
プルサーマル発電を計画、実施しているのは福島第1を含め最大で計15基となり、目標に一歩近づいたといえる。しかし残り1~3基は未定。東電は、今回の福島第1原発3号機を含め3、4基で実施するとしているだけで、発電所は特定していない。今後、地元理解を得ることを考慮すると依然、目標達成は厳しい状況だ。
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