原子力防災訓練:若狭湾沖で地震、美浜3号機電源喪失…5キロ圏内住民避難を検証−−16日・県 /福井

◇県警や自衛隊など120機関

 県は16日、若狭湾沖で地震が発生し、美浜町の関西電力美浜原発で事故が起きたとの想定で、原子力防災総合訓練を実施する。県警や自衛隊など約120機関が参加し、原発5キロ圏内の住民の3割にあたる約270人が船や車などでおおい町や福井市に避難する。5キロ圏外の住民は県が避難計画を策定していないため避難せず、自治体が無線などで屋内退避を呼びかける。【柳楽未来】
 訓練は、午前7時に地震が発生し、美浜3号機が外部電源を喪失したと想定。同町の美浜オフサイトセンターに現地災害対策本部が設置され、県や原子力規制庁の担当者らが原発の状況に応じて住民避難を協議する。
 5キロ圏の住民は、県が3月にまとめた住民避難計画に従い、美浜町の3地区はおおい町、敦賀市の1地区は福井市に避難する。まず、学校にいる児童や寝たきりの高齢者など「災害時要援護者」への避難指示があり、5キロ圏の2小学校の児童や、高齢者役の住民がバスや救急車などでおおい町に向かう。
 その後、さらに原発の状況が悪化したとして、一般住民にも避難指示が出される。自家用車や自衛隊のトラックなどで「避難車両中継所」の美浜町総合体育館に集まり、バスでおおい町の大飯中学校に移動する。県の担当者は「まずは5キロ圏の避難の検証をしたい。5キロ圏外はこれからの課題だ」と話している。
 県は年1回、県内の4原発で順番に訓練を行っているが、昨年度は国の原子力災害対策指針策定の遅れを理由に実施しなかった。今回は高浜原発の順番だったが、高浜原発の5キロ圏には約5500人が住み、病院や高齢者施設もあるため、避難規模が小さい美浜原発で実施することになった。

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