「課題は原子力関係者の態度変えること」

電力会社が共同で運営する電力中央研究所に、原子力発電所の安全性の向上を研究する新たな組織が設置され、所長に就任したアメリカ原子力規制委員会の元委員は、個々の原発の対策に生かすリスク分析の導入が遅れているとして「課題は原子力関係者の態度を変えることだ」と指摘しました。
電力各社はこれまで全国の13の原発について、再稼働の前提となる審査を原子力規制委員会に申請しており、先月、鹿児島県にある川内原発が初めて審査に合格しました。
こうしたなか電力中央研究所に、原発の安全性の向上を研究する「原子力リスク研究センター」が設置され、ことし6月までアメリカの原子力規制委員会の委員を務めていた、ジョージ・アポストラキス氏が所長に就任しました。
アポストラキス氏は、原子力発電所のどこにどのようなリスクがあるかを分析し、事故の発生確率を調べる研究を専門としていて、センターでも審査に合格した原発も含めて発生確率の高い事故のリスクを見つけ出し、電力会社の対策に生かす際の支援を行うとしています。
会見したアポストラキス氏は、日本ではこうしたリスク分析の導入が遅れているとしたうえで、「規制を満たしていれば安全だという考え方が支配的だったのではないか。日本における課題は、原子力関係者の態度を変えることだ」と述べ、電力会社など原子力関係者の意識改革が必要だと指摘しました。

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