韓国の原子力発電所 核心設備内部で「あってはならない異物」見つかる
2017年8月17日、韓国・JTBCによると、韓国南西部にあるハンビッ 原子力発電 所で、核心設備の一つである蒸気発生器の中から「あってはならない異物」が発見された。 先月10日、韓国の原発管理などを行う韓国水力原子力(韓水原)がハンビッ原発民間監視委員会に提出した報告書に、異物について言及されていたことが分かった。しかし異物の具体的な説明はなく、JTBCが調査した結果、蒸気発生器の内部で発見された異物は、外部から混入した横12ミリ、縦7ミリの大きさの鉄片であることが確認された。 報道によると、蒸気発生器で外部からのこうした異物が見つかったのは初めてのことだという。超高圧・超高熱で蒸気を発生させ、原発タービンを回す核心部品の蒸気発生器は、厚さ1ミリの細い管8400本が束になっている。この管の周りには冷却水が流れているが、この冷却水の中に異物が漂っていた。 原子力安全研究所のハン・ビョンソプ所長は、「(異物がぶつかれば)1ミリの厚さしかないチューブが破れることもある。1本でも破れれば放射線が相当に多く漏れ出る」と、大きな事故につながりかねない危険な状況だと説明した。 韓水原は、最初に異物を発見してから1カ月が過ぎた今月8日になって、初めて蒸気発生器の交換計画を明らかにしており、異物混入を隠蔽(いんぺい)しようとしたのではないかとする疑惑が起きている。 この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「韓国の原発は信用できない。原発は撤廃だ」「僕らの世代のごみを子孫に残してはならない」「福島第一原発のような大きな事故になるぞ」「韓水原は不正の温床だ」など、原発行政への批判とともに脱原発を訴える声が寄せられた。 その一方で、「老朽化した原発はすぐに廃棄して、安全な新規原発を建設するのが賢明」と、脱原発とは距離を置く声もあった。 その他に、「不正腐敗がまん延した韓国に安心できるものがあるか?」「脱原発の国民世論づくりか」などとするコメントもあった