原発輸出、ロシアが攻勢…日本と激しい受注競争


原子力発電所の輸出を巡り、日本メーカーとロシアの受注競争が世界各地で激しさを増している。
 ロシアは首脳外交や軍事協力などを絡めて、原発輸出を積極的に展開する。国内での原発新設が見込めない日本勢は、海外に活路を見いだしており、負けられない立場だ。安倍首相は28日から訪露し、プーチン大統領とエネルギー分野の協力などを話し合うとみられるが、原発輸出では両国のつばぜり合いが続きそうだ。
 今月5日、フィンランドの原発企業フェンノボイマは「中型炉の建設について、(ロシア国営企業の)ロスアトムと直接交渉を始める」と発表した。フェンノボイマの原発新設を巡っては、東芝傘下の米ウェスチングハウスと仏アレバが受注を競ってきた。アレバはその後脱落したとみられ、突如浮上したロスアトムとの一騎打ちの様相を呈している。東芝社内には「受注を横取りされかねない」と緊張が広がった。
 ロシアの原発は、原子炉の熱を蒸気発生器に送り、タービンを回して発電する加圧水型軽水炉(PWR)。ウェスチングハウスや三菱重工業の原子炉と同じ方式で、近年世界で最も採用数の多い炉型だ。1986年に事故を起こしたチェルノブイリ原発と同型の黒鉛炉は、現在は建設していない。

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